ゴヨウアケビ

アケビの実といえば,山で採れる秋の果物の中でも5本の指に入るくらいポピュラーでおいしい.ただ,花は意外と知られていないようで,初めて見た人はほぼ感激する.僕もそうだった.

普通,アケビというと2種類を思い浮かべる.果実が2つに割れるいわゆるアケビと,果実が割れないムベだ.ムベは石アケビ・トキワアケビなどとも呼ばれる.個人的にはムベよりもアケビの方が好きだなぁ.

ところが,果実が割れるアケビにも2種類あって,小葉が5枚のものをアケビ,3枚のものをミツバアケビと呼ぶ.おそらく,この2種の果実は区別せずに食べられている.葉の数が5枚と3枚という違いがあるが,決定的な違いは花で,アケビが淡い紫色をしているのに対し,ミツバアケビは暗紫色.

さらに!アケビとミツバアケビは交雑して,ゴヨウアケビという雑種をつくる.ゴヨウアケビの小葉は3個または5個で,ふちに波状の鋸歯がある(波状鋸歯はミツバアケビの特徴).花はミツバアケビと同じ暗紫色.

こうなってくると,自分が食べているアケビがなんだか解らなくなってくるが,少なくともゴヨウアケビではないはず.ゴヨウアケビは実をつくらないらしい.ということは,秋にここに来ても実は期待できないということか・・・.

カシワ

ラテン語で「大きな楢」という名前が付けられたカシワ.その名前のとおり,大きな葉を付ける.ドングリも大きい.展葉と同時に開花する.

風媒花なので花は目立たないのだけど,新葉はものすごくきれい.ベルベットで作ったコサージュみたい.でも,カシワを見なければベルベットでこんな色・形のコサージュを作ろうとは思わないと思う.何より,こんなグラデーションのある布を作るだけでもすごい技術だ.ありきたりの言葉だけど,自然はすごい.

アセビ

「馬酔木」と書くように,毒がある.父親に聞いた話では,以前はこの枝を列車の窓から川に投げ込み,下流にある駅で下車して流れてくる魚を捕る人が居たらしい.エゴノキと同じ要領だ.

春先にはきれいな花を付けるが,新芽の芽吹きも負けないくらいに美しい.

サルトリイバラ

サルトリイバラの花はかわいい.いや,花だけでなく,葉もきれいだし,実に至ってはリースにされるほどだ.それなのに広島では「サンキライ」なんて呼ばれてしまう.トゲのあるのは嫌われるのかなぁ.

これは山頂付近に咲こうとしていた花.風衝地では葉が固くなり小さくなる.逆に林内などの日陰では葉が柔らかい感じになる.以外と生育環境は幅広い.

ハルガヤ

千町原で最も個体数の多い草じゃないだろうか.とにかく多い.後ろに見えるハルザキヤマガラシと同じ頃に咲くのだけど,イネ科の花らしく地味なので,咲いていることに気付いてもらえない.一握りちぎってもむと,まさに干し草のにおいがする.匂いの元はクマリンという物質で,サクラにも含まれる.桜餅と干し草も良い匂いなのだけど,ハルガヤの花粉は体質によってはアレルギーを引き起こす.