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花の色は – ページ 10 – 芸北 高原の自然館

雲月山遠足

雲月小学校の子どもたちと遠足に行った.目的地は雲月山山頂.けっこうな距離があり,子供達にも先生にもハードだったと思う.列が乱れていたので,ちょっと話がしづらかった.それでも,子供達は全行程を歩ききった.新緑もきれいだったし,山焼き跡も見ることができた.春植物が終わっていたのが残念.

カシワ

ラテン語で「大きな楢」という名前が付けられたカシワ.その名前のとおり,大きな葉を付ける.ドングリも大きい.展葉と同時に開花する.

風媒花なので花は目立たないのだけど,新葉はものすごくきれい.ベルベットで作ったコサージュみたい.でも,カシワを見なければベルベットでこんな色・形のコサージュを作ろうとは思わないと思う.何より,こんなグラデーションのある布を作るだけでもすごい技術だ.ありきたりの言葉だけど,自然はすごい.

ゴヨウアケビ

アケビの実といえば,山で採れる秋の果物の中でも5本の指に入るくらいポピュラーでおいしい.ただ,花は意外と知られていないようで,初めて見た人はほぼ感激する.僕もそうだった.

普通,アケビというと2種類を思い浮かべる.果実が2つに割れるいわゆるアケビと,果実が割れないムベだ.ムベは石アケビ・トキワアケビなどとも呼ばれる.個人的にはムベよりもアケビの方が好きだなぁ.

ところが,果実が割れるアケビにも2種類あって,小葉が5枚のものをアケビ,3枚のものをミツバアケビと呼ぶ.おそらく,この2種の果実は区別せずに食べられている.葉の数が5枚と3枚という違いがあるが,決定的な違いは花で,アケビが淡い紫色をしているのに対し,ミツバアケビは暗紫色.

さらに!アケビとミツバアケビは交雑して,ゴヨウアケビという雑種をつくる.ゴヨウアケビの小葉は3個または5個で,ふちに波状の鋸歯がある(波状鋸歯はミツバアケビの特徴).花はミツバアケビと同じ暗紫色.

こうなってくると,自分が食べているアケビがなんだか解らなくなってくるが,少なくともゴヨウアケビではないはず.ゴヨウアケビは実をつくらないらしい.ということは,秋にここに来ても実は期待できないということか・・・.

アセビ

「馬酔木」と書くように,毒がある.父親に聞いた話では,以前はこの枝を列車の窓から川に投げ込み,下流にある駅で下車して流れてくる魚を捕る人が居たらしい.エゴノキと同じ要領だ.

春先にはきれいな花を付けるが,新芽の芽吹きも負けないくらいに美しい.