今や日本で保全生態学を象徴する花になった感がある.それは保全生態学を進めてきた鷲谷いづみ先生が研究対象とした種であることが大きく,保全生態学の教科書でまず取り上げられるからだ.びっくりしたのは小学校5年生の教科書にも載っていることで,著者はやっぱり鷲谷先生だった.国語の教材で理科的事項まで勉強できるとは一石二鳥だ.
芸北には由来の異なるサクラソウがある.一つは埼玉県あたりを由来として(おそらく)人の手によって持ち込まれたもの.もう一つは自生のものだ.
この写真はサクラソウの自生地のもので,ここでは実に多様な姿のサクラソウを見ることができる.あるものは背が高く,あるものは花弁が細く,あるものはこのように歪曲しながら低く花をつける.できることなら,いつまでもこの多様性を保って欲しい.