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保全 -home- – ページ 2 – 芸北 高原の自然館

春の遠足 −アマゴをめぐる生き物のはなし−

美和小学校の児童と一緒に遠足に出かけた.2年前にも同じ遠足に誘って頂いたのだけど,今回も目的地は大暮養魚場.ここでアマゴのつかみ取りをするのだ.もちろん,深いところでは無理なので,ちゃんと浅瀬を作っている.

僕の役割は,道中で動植物のレクチャーをすること.今回も植林地の中を縫う林道を歩いたので,なかなか目をひくものは少なかったのだけど,それでもいくつか花が見られた.ただ,子供達にとっては,途中で見つけたシマヘビの方が興味津々だったようだ.昼寝の最中だったところを捕まえて,胴としっぱの境,排泄口の場所,うろこを見せながらの脊椎動物の進化の話,温度センサーや二股の舌の役割,捕食の話,瞳の形などをざっと話した.まぁ,一番の興味は手触りだったようだけど・・・.子供達が手で触ったり首に巻いたりするのを見て,2年前には近づこうともしなかった先生も,怖々ながら触っていた.いいことだ.

ここまでなら2年前と同じなのだけど,実は,僕が設定した今日のメインは大暮養魚場にある.芸北は,カワシンジュガイという二枚貝の生息南限にあたるのだが,この貝の保全に大暮養魚場が大きく貢献しているのだ.

カワシンジュガイの幼生(グロキジューム)は,アマゴの鰓に寄生するので,アマゴがいなければ個体群は消滅してしまう.農業のための河川改修が進んだ芸北では,河川同士のつながりは分断され,アマゴが健全に生育できるほどの環境はほとんど残っておらず,カワシンジュガイもほとんどの河川で絶滅してしまった.現在は,カワシンジュガイの残された川にアマゴを放流し,カワシンジュガイの個体群の消滅を防いでいるのだ.さらに,カワシンジュガイはアブラボテの産卵先になるので,カワシンジュガイを保護することは,同時にアブラボテを保護することにもつながる.

この遠足で,子供達は芸北に棲む貴重な生き物のこと,生き物同士のつながり,そして,地元の産業が,経済以外の面でも大きな役割を持っていることを知ったはずだ.もちろん,アマゴの味もね:)

雲月山,とうとう,やっと,また,燃えた!

とても良い天気の日でした.雲月山の上には雲が無く,そして,風も無い.

7:15.雲月山に着くと,車は無く,駐車場の端っこにAvenirを停めました.ほどなく人が集まりはじめ,どの顔からも期待感が読みとれました.心配していた駐車場の混雑も,受付の人手の無さも,自発的に動き始めた人が補ってくれました.そう.今日の活動はボランティアイベント.145人のボランティア全てが,この活動の意味を知っているはずで,この活動に参加したいという自分の意志で来ているのです.動員という言葉が使われるなら,それはボランティアによる活動ではない.参加した人は,参加したいから,参加した.当たり前のことのようで,そんなイベントはあまり無い.それだけ,雲月山の魅力と,その裏側にある文化を理解する人が多くいたことを感じ,幸せな一日でした.

山焼きは,無事に終わりました.内容については別のところで書くとして,とにかく怪我人も無く,予定した範囲をきれいに焼き切って終わりました.山焼き後はゼミで発表があり,その後は飲んで,翌日はエクスカーションのコーディネーターだったので,我に返ったのは日曜の夜でした.

僕は,それからずっと泣いています.ボランティアの人たち,地元の人たち,消防の人たち,記録や報道の人たち,そして準備をしてきた事務局の人たち一人一人のことを思うと,困るくらい泣けてしまう.「感動するのは今日だけにしよう」と,昨日思ってたのに,今朝来る時に当日のことを思い出したり,新聞見たり,テレビみたり,チャットで感想を聞いたりして,また涙が出てくる.

でも,今回の山焼きは一つのマイルストーン.たどり着いたのは確かだけど,そこは通過すべき地点.まだまだこれからが続いている.そう言い聞かせているんだけど,やっぱり感激が止みません.すみません.明日からは頭の中を冷やしてまた進みます.

こんなに泣けるのか,っていうくらい嬉しい活動を手伝えたことを,本当に幸せに思います.ボランティアで,あるいは地区から,消防から参加した皆さんが,少しでも(涙は出なくても)同じような感覚を共感できていればいいなぁ,と思います.

山焼き前日,雨の朝

目が覚めて,次第に感覚が戻ってくると,パラパラと屋根を打つ音に気付いた.「雨かぁ・・・」.様々なことが頭の中を過ぎる.準備不足という観念にとらわれているので,ほっとした気持もあり,他の仕事に手を付けられるという気持もあり,お天気だけはどうしようもないと言いながら残念な気持もあった.が,天気予報を見てみると,8日[雨→晴],9日[晴].まだすっぽりと雲の中だけど,さてさて,どうなるか...

棚田の雪解け

棚田と言ってもこれは実験地の棚田.この春初めて行ってみると,波板は見事に倒されていた.予測はしていたけれど,雪には耐えられなかったようだ.それでも,導水性能は割と保たれていて,これならカスミサンショウウオの産卵も期待できる.一年生草本の種子に対する導水の効果も出てくるし,調査するのが楽しみだ.