ウツギ

梅雨の時期には白い花ばかりが目立つ.卯の花とも呼ばれるウツギはその代表格だろう.各地で普通に見られる低木で,「○○ウツギ」という名前の植物が多いことからも,なじみ深い種であることが分かる.枝を切ると中が空洞になっているので「空木」.これはウツギ属に共通の特徴だけど,ウツギ属でないものにも空洞になるものもあるし,「○○ウツギ」という名が付いているものもあって,ちょっとヤヤコシイ.

花は5個の真っ白な花弁があり,円錐花序をつくる.晴れ上がった日の眩しいほどの花も良いけれど,少し曇った日こそよく似合うと思う.

キウイフルーツ

中国原産のオニマタタビをもとに,ニュージーランドで品種改良された果物.これは庭で生長しつつある果実.花を見ることってあまりないけど,コイツはおもしろい造りをしている!多数の雄しべと,これまた多数に分かれた柱頭が残っていて,子房が膨らみつつある.カワイイ.

コシダ

簡単に見ることができて一般によく知られているシダといえば,ワラビ,ゼンマイ,ウラジロ,スギナ,シシガシラ,そしてこのコシダあたりじゃないだろうか.このうち前4者は食用や飾りになるけれど,後2者はあまり使われることがない.

コシダは山火事跡地にしばしば群生するので,瀬戸内では見ることが多い.小さくてもちゃんと規則的に葉を出している様子がかわいい.

ヤブツバキ

花はすっかり終わっているけれど,常緑樹のオタノシミは春の展葉にもある.常緑といってもいつまでも同じ葉を使い続けるのではなく,葉にも寿命がある.街路樹によく使われるクスノキの落ち葉は春に道路を舞うし,「竹の秋」というのは葉を落とす竹の様子を表した春の季語だ.ヤブツバキも春に葉を出す常緑樹.緑色になる前の微妙な色の変化がおもしろい.