焼け跡に沢山咲いていた.どれも個体サイズが小さいのは,長い間上部を覆われていたからだろうか?イカリソウは,冬には葉が枯れるので,山焼時には地上部が無いはずだ.山焼きを続ければ秋の花だけでなく,こうした「山焼き後に地上部が現れて,冬には地下部のみで越冬する」春植物も増えるだろう.焦げたススキや黒い土の上で咲く姿が印象的だった.
花の色は
山焼きから一ヶ月
東京からお客さんがあったので,明日に予定されている雲月小学校の遠足の下見を兼ねて,雲月山に登ってみた.さすがに山肌は黒から茶色に変わりつつあるが,山肌にはススキをはじめとして,たくさんの新緑が芽吹いていた.しかも,焼いていない場所よりも緑が鮮やかに見える.山肌のせいかもしれないけれど,これは新鮮だった.
山焼きの後,いろんな人が雲月山の興味深い情報をwebで発信されているので,目にとまったページを集めてみた.
■個人のページ
『雲月山 山焼きに参加しました。』 by Outdoors in Hiroshima
『雲月山焼き』 by 芸北町観光協会
■ 報道関係
『雲月山、8年ぶり炎の絵巻 広島県北広島』 by 中国新聞
『草地を守る 雲月山の山焼き〜芸北(4/11)』 by 広島ホームテレビ
カキドオシ
田の畦に咲くところや,花の形はムラサキサギゴケやトキワハゼに似ているが,こちらはシソ科,前2者はゴマノハグサ科.シソ科らしく,茎をこすると臭い.子どもの癇を取る薬に使ったのでカントリソウの名もあるそうだが,垣を通すほど伸びるカキドオシの方が馴染みやすい.薬に使ったことが無いからか...
別の科でも花の形が似てくるのは,同じ働きを持つからで,生物学の分野では「相同器官」という言葉が使われたりする.カキドオシの花弁は,ハチなどがとまりやすいようにできていて,実際,ハチがよくやってくる.花に降り立ったハチは,蜜を吸うためには花のトンネルを潜っていかなければならない.カキドオシの花を横から見ると分かるように,実は,このトンネルは割と長い.しかも,トンネルの天井には雄しべと雌しべがあって,潜り込んだハチに花粉が付くようになっている.こうしてハチに付着した花粉は,次の花に運ばれて雌しべに届く.僕らが見ている花は,長い長い年月をかけて虫との間に作られてきた関係の産物だ.そんなこととは関係なく,春の陽射しは暖かいのだけど...
ザイフリボク
展葉と一緒に開花するけれど,花弁が長いのと新しい葉が垂れ下がるのとで,よく目立つ.明るい葉の色と白っぽい葉裏も,真っ白な花をより引き立たせる.
采振木の名は,花を采(采配=将軍が持ってるフサフサが付いたこれの略)に見立てたものだそうだけど,今となっては慣用句の中でしか采配なんて言葉は使わないので,イメージしにくい.遠目に見ても華やかな木.
ウリカエデ
ササの一種
シシガシラ
ウリハダカエデ
コバノミツバツツジ
長い名前なのに,子どもに言うと,すぐに覚えてくれた.子どもってホントにすごいと思う.花もかわいいけれど,三つの葉が展開する姿もいい.芸北の里山では普通に見られ,しばしば刈り残されて群生する.
花弁は5裂するのだけど,放射相称ではなく,左右対称.これは,ウスギヨウラクの花と比べて,はじめて気付いた.何気なく見てたけれど,ツツジ属(Rhododendron)の花って多様だ.放射相称に切れ込むものもあるし,裂片の形も多様だし.コバノミツバツツジの裂片は,円い部類に入りそうだ.
このお宅の裏山は,毎年たくさんの花を咲かせる.おじさんに話を聞くと,年によって時期・咲く量に変動があるらしい.それにしても見事だ.農繁期でなければ花見にもってこいなのだけど・・・.