シダの仲間はなかなか見分けが難しいものが多いけど,シシガシラだけは早くに覚えた気がする.地面に張り付くようにして生える姿は特徴的だし,名前もよく姿を現していると思う.常緑のシダだが,春には新しい葉と胞子葉を展開する.この個体は,今まさに葉を拡げようとしているところ.新しい葉がかわいい.古い葉が渋い.周りにはコバノミツバツツジの展葉.春.
春 -home-
ウリハダカエデ
コバノミツバツツジ
長い名前なのに,子どもに言うと,すぐに覚えてくれた.子どもってホントにすごいと思う.花もかわいいけれど,三つの葉が展開する姿もいい.芸北の里山では普通に見られ,しばしば刈り残されて群生する.
花弁は5裂するのだけど,放射相称ではなく,左右対称.これは,ウスギヨウラクの花と比べて,はじめて気付いた.何気なく見てたけれど,ツツジ属(Rhododendron)の花って多様だ.放射相称に切れ込むものもあるし,裂片の形も多様だし.コバノミツバツツジの裂片は,円い部類に入りそうだ.
このお宅の裏山は,毎年たくさんの花を咲かせる.おじさんに話を聞くと,年によって時期・咲く量に変動があるらしい.それにしても見事だ.農繁期でなければ花見にもってこいなのだけど・・・.
ウスギヨウラク
クロモジ
落葉広葉樹林の林床で普通に見られる.この木の説明をはじめると「お茶の時,和菓子に付いてくる楊枝」と言われるのだけど,実は,お茶をする人はみんな「菓子切り」という道具を自分で持っているので,お茶会のお菓子にクロモジの楊枝は付いてこない.クロモジの楊枝は「お茶をやっていないお客様のためのもの」なのだ.ただし,菓子器から菓子を取るために添える箸はクロモジで,この箸のことを「くろもじ」と呼んだりする.あ,それから5重の菓子器の場合には,銘々にくろもじが出される.
ともあれ,よく知られた木であることは間違いなく,葉をこすった時の清涼な香りはいつでもうれしい.ただ,その姿が一番きれいなのは,軟らかい新葉と黄色の花が春の陽射しに照らされた時じゃないかなぁ...