イズモコバイモ

中国新聞の記事を読んで,咲いていることを知った花.ちょうど,アズマイチゲの写真を見ていたこともあり,なんとなーく見に行きたい気持があった折,三瓶山の山焼きが延期になって,一日目の夕方まで時間ができたので行ってみた.

新聞記事を見た以外は下調べもせず,大まかな所在地しか分からなかったので,たどり着けるかどうか心配だったが,なんとなくで行き着くことができた.いや,行き着いたというよりも,生育地の立地が良すぎたのだろう.何しろ県道沿いなのだから・・・.

個体数はかなり多く,開花個体も沢山見られた.また,他のユリ科の植物同様,花が咲く前の一枚葉の個体も沢山見られた.写真の個体の根際にある葉は,ほとんどイズモコバイモだ.花の色には変異が多く,花を覗き込んだ時に花弁の付け根近くに見える黒点がかわいかった.

それにしても,この生息地は環境が良い.県道沿いで車通りが多いため,人の目に付きやすく,盗掘されにくい.何よりも,生息地の斜面を挟んで民家があり,その家の方が積極的に保全に取り組んで居られる.翌日が観察会だったこともあり,たまたまそのグループの方お二人と話をすることができた.お二人とも熱心で,心強く感じた.

ただ,ちょっと心配な点が無かったわけでもない.それは,イズモコバイモに最適な環境を作るあまり,他の種が減ってしまったら寂しいな,ということだ.斜面が一面のイズモコバイモに埋もれるのも悪くないのかもしれないが,できればヘテロな環境を残してほしいというのは欲張りだろうか.

ともあれ,ここでイズモコバイモを見ていたおかげで,その後二泊三日の三瓶滞在が,より楽しいものになったのは確かだ.三瓶の山焼きに集まった人たちも,やっぱりイズモコバイモが気になるようで,何度も話題に上った.この個体群はきっと守られるだろう.隠して守るのではなく,広く公開して守ることができれば,それが自然保護の方法としては理想的だと思う.